令和7年5月策定
北九州市生物多様性戦略 2025–2030

都市に近接する豊かな自然「アーバンネイチャー北九州」を定義し、「都市と自然の共生」というネイチャーポジティブのグローバルモデルを目指します。市民・企業・行政が一体となり、自然の保全と回復、地域の魅力向上、そして持続可能な成長を同時に実現します。

対象期間:2025〜2030年度(6年間) 生物多様性基本法 第13条第1項に基づく地域戦略 生物多様性国家戦略 2023-2030 と連動
1
価値観の形成
市民一人ひとりが自然に気づき、大切にするファンを増やす。すべてのネイチャーポジティブはここから始まる。
2
保全・回復
市民・企業・行政の「自然のファン」が一体となって、生物多様性の保全と回復を実践する。
3
課題解決・成長
豊かな自然が経済・社会課題の解決に役立ち、都市の魅力が向上してネイチャーポジティブの重要性が再認識される。

3つの基本目標

戦略が掲げる具体的な目標と、2030年までの数値指標

基本目標 1
価値観の形成
生物多様性を大切にする価値観の形成
民間企業、教育・研究機関、地域コミュニティ等と連携し、市民が自然や生き物と触れ合う機会を創出。生物多様性の保全・回復に貢献する行動やライフスタイル(食品ロスの減少、地産地消の推進など)への転換を促し、都市に近接した豊かな自然の魅力を発信します。
2030年目標値
生物多様性に関する市民認知度 60%
保全活動への参加率 50%
市民1人1日あたりの家庭ごみ排出量 420g以下
基本目標 2
保全・回復
生物多様性の適切な保全と回復
民間企業等と連携してOECMの拡大を推進。里地里山の回復など、生物多様性の保全・回復に貢献する市民や民間企業等をサポートします。希少種の保全や特定外来生物の防除にも取り組みます。
2030年目標値
陸地の保全地域(最大) 30%
自然共生サイトの認定数(累計) 5カ所
保全活動への参加率(再掲) 50%
基本目標 3
課題解決
自然を活用した多様な課題の解決
戦略を推進し、自然を切り口に多様な関係者が様々な課題解決のための拠点やネットワークを設置。カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーと統合的にネイチャーポジティブを推進。生物多様性の魅力を活かした観光や農林水産業等も振興します。
2030年目標値
ネイチャーポジティブ宣言参加団体数 30団体
NP経営に取り組む市内企業数 30企業

推進体制

産学官民が連携して戦略を推進する2つの組織

北九州ネイチャーポジティブネットワーク
戦略の推進に向けて産学官民が連携し、取組を推進する体制の構築
  • 構成:事業者、教育・研究機関、コミュニティ(地域団体・NPOなど)、行政等
  • 豊かな自然を活用し、市の魅力向上や持続可能な社会の実現等の課題解決
  • 各主体が一体となり、相互に連携・補完しながら戦略の取組を推進
北九州ネイチャーポジティブセンター
戦略の推進に向けた活動拠点の整備(響灘ビオトープ等の候補施設)
  • 市内の生物多様性に関する情報の収集・整理・分析及び普及啓発・プロモーション
  • 市民や企業のネイチャーポジティブ活動・経営に関する助言等を支援
  • ネイチャーポジティブネットワークの事務局としても機能
  • 響灘ビオトープ:日本初のOECM登録(2024年8月)・約800種の生物が生息

私たちにできること

日々の暮らしの中で、一人ひとりが無理なくできる5つのアクション

1
たべよう
地元でとれたものを食べ、旬のものを味わう
2
ふれよう
自然の中へ出かけ、生きものに触れる
3
つたえよう
写真・絵・文章で自然の素晴らしさを伝える
4
まもろう
地域や全国の保全活動に参加する
5
えらぼう
日々の生活で環境に優しい行動を選ぶ
地元の食材・旬の食材を選ぼう。田んぼや畑を支える生きものを守るほか、地域の食文化を理解することや生産・輸送に必要なエネルギーを削減することにつながります。
自然や生きものに触れよう。公園・動物園・水族館などを訪ね、自然の中で過ごす楽しさや生きものの面白さを体験。庭やベランダで緑や花を育てることも大切です。
みんなに伝えよう。自然や生きものに触れて感じたことを家族・友人に話したり、写真や絵で伝えることで生物多様性の輪が広がります。
保全活動に参加しよう。農業体験・エコツアー・ワークショップ・清掃ボランティアなど、市が企画する様々な参加型イベントを通じて保全を実践しましょう。
環境に優しい商品を選ぼう・ごみを減らそう。エコラベルの商品選択やマイバッグ持参でプラスチックを削減。食品ロスを出さない工夫も生物多様性の保全につながります。

主要施策一覧

3つの基本目標を実現するための具体的な取り組み

基本目標1:価値観の形成(全19施策)
市民の理解を深め、人と自然のつながりを大切にする価値観を醸成
01学校教育における環境教育・SDGsの推進
02自然教室の実施(小学生向け市内自然の家宿泊体験)
03桂根川水辺の親水活動の実施
04自然史の普及啓発(いのちのたび博物館)
05環境ミュージアムによるエコツアー等の促進
06自然環境学習の場としての里地里山の活用
08平尾台の保全と利用
13地産地消の推進
16エコツアー・エコツーリズムの推進
17響灘ビオトープの運営と環境学習活動の推進
他9施策(ふれあい花壇・花と緑のまちづくり・道路緑化・プラスチックごみ対策 等)
基本目標2:保全と回復(全20施策)
北九州市の生物多様性を保全するだけでなく、回復に向けた取組を推進
01平尾台の保全(国指定天然記念物・北九州国定公園)
02紫川周辺の河川環境整備の推進
03ほたるのふるさとづくり
08緑地の保全と緑化の推進
09森林の保全(自然公園法・緑地保全地区制度等)
11放置竹林対策
12水産環境の保全と水産業の振興
16外来種対策(特定外来生物の水際対策)
18自然環境調査の実施
20市内企業等と連携したOECMの登録の拡大
他10施策(河川管理・自然公園適正利用・農地保全・環境影響評価・鳥獣被害対策 等)
基本目標3:課題解決・成長(全14施策)
豊かな自然を活用し、市の魅力向上や持続可能な社会の実現を通じて市の成長へ
01北九州ネイチャーポジティブネットワークの構築
02北九州ネイチャーポジティブセンターの設置と運営
03ネイチャーポジティブ経営への移行支援
04有機農業の推進
07グリーンインフラを活用した防災・減災機能の強化
08脱炭素(カーボンニュートラル)社会実現への取組推進
09循環経済(サーキュラーエコノミー)システムの構築
10上下水道資源を活用したホップ栽培と地ビールの製造
11ホタルを通じた地域コミュニティの活性化
12水環境館の管理・運営
他4施策(林業振興・水産業振興・石けん系泡消火剤の活用・食品廃棄物リサイクル 等)
「アーバンネイチャー北九州」を世界に発信し、都市と自然の共生を実現する

つながりと情熱と技術で「一歩先の価値観」を体現するグローバル挑戦都市・北九州市。市民・企業・行政が一体となって、ネイチャーポジティブな未来をともにつくりましょう。

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